残した豆乳スープと格闘する子供を見て、感動した話。
2才になった双子が、豆乳スープを残した。
近ごろ、好きなものから先に食べてしまい、順位が低いものを、少しだけ残すのだ。
もくじ
残す癖がつくのは、良くない
生理的に受け付けないものは、しょうがない。
でも、いつもは食べているのに、残す癖がつくのは、良くない。
残したスープは、4分の1くらいだ。
満腹で食べられない量ではない。
念のため、残した豆乳スープを、味見してみた。
いつもと変わらず、美味しい。
妻が愛情を込めて作ったのだ。
まずいはずがない。
残したものを、次の食事の最初に出す
うちのオカンは、超楽天家だが、僕が子供のころは、きびしい面もあった。
食事の時に残したものは、次の食事で、残したものだけが出てくる。
まず最初に、残したものを食べないと、他を食べてはいけないのだ。
おかげさまで、僕は、好き嫌いがひとつもない。
この話を思い出して、我が家でも、試してみることにした。
残した豆乳スープと格闘する子供
夜、昼に残したスープだけを、まず出してみる。
空腹のはずだが、やはり、2人とも食べない。
双子長男は、椅子に座ったまま、しかめっ面で、豆乳スープが入ったカップを何度も跳ね返す。
双子次男は、椅子から降りてしまい、ぎゃんぎゃん泣いて暴れまくった。
10分、20分。
二人とも、自我が芽生えた時期ということもあって、なかなか頑固だ。
30分経った。
まだ食べない。
これは、もう、戦争だ。
負けることは、出来ない
ここまでやってしまったからには、親としても、負けることはできない。
「ぐずり通せば、食べなくて済む」
というルールができあがってしまうからだ。
40分経った。
もう、こちらも限界が近付いてきた。
「今日は、もういいかな?」
「かわいそうだから、やめとくか?」
そんな話を妻としつつ、もうそろそろ止めようかと思ったその時。
双子長男が、豆乳スープを食べた。
感動した
「あ、食べた」
僕は、感動した。
「よくやった!えらい!!」
褒めると、乗る、双子長男。
最初はイヤイヤ食べていたが、途中からニコニコ顔で、豆乳スープを食べきった。
壁を乗り越えた者だけが、食べることを許される、カレーやリンゴを、満面の笑みで、パクパク食べ始めた。
それを見ていた双子次男。
こいつは、かなり頑固だ。
しかし、ここで双子次男だけを許すわけにはいかない。
ここで許せば、がんばった双子長男に悪い。
しかし、双子次男は、なかなか食べない。
仕方がないので、僕がスープを食べてみせた。
「あー、美味しい。食べる?」
スプーンを口に持っていってみる。
双子次男も、食べた。
きっかけが欲しかったのだ。
壁を乗り越えた双子が、美味しそうにカレーを食べる姿に、僕は、感動した。
親がきびしくする時、子供はつらい。
それ以上に、親も、つらい。
楽天家のうちのオカンが、子供の頃はとてもきびしかった理由が、今なら少し、わかる気がした。
ありがとう、オカン。