フリとツッコミの目的

 笑い、とってますか? いや、別にとらなくてもいいかもしれないけど、でも、できれば笑いをとりたいって思いますよね? どうなんでしょう。

 僕は昔(かれこれ20年前になりますけど)お笑い芸人をやっていたことを今でも大っぴらに公表しているので、普通の人よりも少しだけ笑いをとりにいかねばならない局面が多い。で、正直なところ、申し訳ないけど、乾いた笑いで終わることも少なくない。精一杯やりますけど。

 言い訳をします。この世の中には乱暴なフリやツッコミをする人がいる。まあそれにも面白く応えることができたら一番いいのですけど。そこは努力します。

 ただ、この世の中にはフリが上手な人もいて、そうゆう人はボケても面白いし、ボケの気持ちがわかるからツッコミもうまい。出会えた時は幸せです。

 ツッコミの人っていうのは、どちらかと言うと荒っぽくて乱暴なイメージがある。あるいは間違いを的確に正す冷静な印象があるかもしれない。しかしツッコミの根底には、まず第一に優しさと繊細さがなければいけないと僕は思います。乱暴であったり冷たくていいのは口調だけだ。笑いをつくるのは共同作業だから、思いやりと信頼関係がないと、まずうまくいかない。

 フリやツッコミの目的は、相手を活かすことだ。決して相手を落とし入れることではない。相手の良い反応をある程度予測した上でフリを投げるのがマナーだ。その上での失敗ならば仕方がない。まあ僕も過去にその目的を忘れて失敗したこともあるし、今後も忘れないように、このことをよく覚えておかねばならないのですが。

 笑いのことだけではなくても、人を落とすことが結局は自分を落とすことになる。これと同じで、相手を活かすことが結局は自分を活かすことになると僕は信じています。

 まあこんなことを真面目に長々と語っている時点で面白くないんですけどね。全部スベったことの言い訳です。

2014-04-16 | Posted in 雑記Comments Closed 

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