
親は『愛情』を与えても、『考え』を与えてはならない。
ニコニコ顔で、iPadを持ってきた双子次男。
夕飯を食べる僕の目の前に座り、
大好きな電車の動画を観る。
すると横から、すばしっこい双子長男が現れて、
さっと、iPadを奪い取ってしまう。
『ウエーーーーーーーーーーン!』
サイレンのような大きな声で、双子次男が泣き叫ぶ。
まぁ、いつもの我が家の風景なのですが、
昨夜の僕は、いつもとやり方を変えてみたのです。
つい、指示や提案になってしまう。
いつもは、
iPadを奪った双子長男に向かって、
『ちゃんと「貸して」って言った?』
『1つしかないんだから、ちゃんと「貸して」「いいよ」って、やらないとダメだよ』
これで丸く収まることもあるのですが、
イヤイヤ返す双子長男も、返してもらった双子次男も、
なんだか不機嫌なままのことが多い。
どうも後味が良くないので、昨夜は、別のやり方を試してみたのです。
考えを押しつけず『親の気持ち』を伝える。
まずは、大声で泣いている双子次男に向かって、
『楽しく遊んでる途中に取られちゃったら、イヤだよね』
『パパも途中で誰かに取られちゃったら、泣きたくなるよ』
次に、iPadを離さない双子長男に向かって、
ゆっくりと、気持ちを込めて伝える。
『本当は、iPadが2つあったらいいんだけど、うちには1つしかないんだ。ごめん』
『だから、パパは、1つのiPadで、2人で仲良く遊んで欲しい。いいかな?』
その後、僕は、一切、何も言わず、
『どうするべきか』は、双子長男にゆだねた。
信頼して、待つ。
1人は、ずっと大声で泣き続ける。
もう1人は、ムスっとした顔で、iPadを離さない。
僕は何か言いたくなる気持ちを、ぐっとおさえて、
黙々と夕飯を食べ続けて、待った。
とても長い時間に感じたけど、
おそらく1分くらい待っただろうか。
双子長男は、iPadを、自分から返した。
自分自身で、答えを見つけたのだ。
にっこり微笑み合った2人を見て、
僕は、少し、感動した。
『愛情』を与えても、『考え』を与えてはならない。
この後も、しばらくの間、1つのiPadで、2人仲良く遊んでいました。
やっぱり、伝え方が大事なんだ。
このやり方は、少しむずかしい部分もあるけど、
親の任務でもある『子供の自立』のためには、良さそうだ。
もうしばらく、続けてみよう。