気づきと行動を繰り返して


「大学をやめて芸人になります」

 厳格な父に告げる時は、
 正直、ひるんだ。

 今となっては恥ずかしい話だけども、
 とにかく新しいやり方を試したくて、
 ベタなことはやりたくなかった。

 初舞台は所沢の市民ホール。
 無名の小さな事務所のライブだけど
 まあまあの来客だった。

 今まで見たこともないような、
 斬新なコントを披露した。

 結果はダダズベリで、
 帰りの電車は相方と二人、
 無言だった。

 2年間、生の舞台でひたすら学び、
 寒い思いを何度もしながら、
 ずいぶん時間がかかったけども、
 ある時、大事なことに気付く。

 ベタを意識した骨組みの構築は、
 何をやるにも必要不可欠なのだ。
 新しさは表現の部分だけでいい。

 修正に修正を重ねて、
 最後は爆笑をとった。
 そして満足して力尽きた。

 だいぶ道草を食ったけど、
 たまに過去の無謀だった自分にも
 感謝する。

 人生は気づきと行動の繰り返しで
 良くなると信じてまた前に進む。

2014-01-23 | Posted in 生き方Comments Closed 

関連記事