ぎゅうして


「ぎゅうして」
「彼女か」

 寝癖がひどすぎる3才双子長男が、いじらしい彼女のように抱っこをせがんでくる。

 しかし、息子たちの体重はふえる一方で、抱っこはかなり腰にくるのだ。

 ダメとかムリとか否定的なことは言わずにどうやってうまく回避できるか、親としてはそこが最大の課題。

 傾向的には、こっちがイヤがると逆にもっとせがんでくる。

 だから「いいよ!」といって、すぐに抱っこをする。

 そのかわり、ひげをほっぺにギュリギュリする。

 そうするとキャッキャいいながら逃げていく。

 お父さんなら誰もが知っている伝統ある手法。

「ぎゅうして」
「彼女か」

 また双子長男がせがんできた。

「いいよ!」

 いつものように抱っこしようとすると、ぱっと横に逃げた。

「え?」

 右手を僕の頬に添え、親が子供に伝えるみたいに、長男が言った。

「ぎゅりぎゅり、しないよ」

 意表をつかれた。

「わははは!そんなこと言えるようになったのか!わかったよ、面白かったからギュリギュリしないよ」

 出来るだけ高い位置に抱き上げると、にこにこの長男。

 こどもの成長速度は、ほんとに速い。

 がっつり腰にくるけども、今日はなんだかうれしい気持ちになった。

2014-02-07 | Posted in 子育てComments Closed 

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