君の仕事


「ぱぱ、おかえり!」
「ただいま」

 玄関の鍵をカチャリと開けると、3才4ヶ月の双子長男がタタタと走ってきて、迎えてくれるようになった。

 なんだかうれしい。

 急にいろいろ話せるようになって、こどもが吸収するスピードに驚く。

 ちなにみ双子次男のほうは奥の部屋でゴロゴロしながらiPadで横須賀線の動画に夢中。

 おとな気取りの長男が会話を続ける。

「どこ、いってたの?」
「仕事に行ってたんだよ」

「しごと、したい」
「いいね、『データを入力するだけの簡単なお仕事です。』興味ある?」

 僕の適当な返しを理解できてないと思うけど、興味津々な顔でうなずいている。

「かばん、なに、はいってるの?」
「パパの大事な仕事道具が入ってるんだ」

「かばん、ちょうだい」
「え?これパパのだよ、あるじゃんこっち」

 4月からはじまる幼稚園のために準備した小さなリュックを渡すと、せっせとミニカーを詰め込みはじめた。

「ようちえん、もっていく」
「うん、持っていってもいいけど、重くない?」

 大量のミニカーを詰め込んでパンパンになったリュックをしょってニコニコ顔の長男。

「4月から元気に幼稚園に通う。それが君の仕事だね」

 リュックを逆さまにして、大量のミニカーが散らばった。ニコニコ顔の長男。キャッキャ言いながら更にそれをぐしゃぐしゃにする次男。

 やれやれ。

 収入はない「仕事」だけども、いろいろな体験を吸収して来てほしい。

2014-02-03 | Posted in 子育てComments Closed 

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