灯り


 あれ?いま暗くなった?と思ったら、その直後、家の中が真っ暗になった。大雪の夜です。停電なんて久しぶりで、しばらく固まったけど、さっそく家の中にある懐中電灯をかき集める。3つあった。でも光るのは1つだけで、残りの2つは放置していたから電池が切れてしまったようだ。

 唯一の光りを頼りに、暗闇の中で電池を探していると、まん丸い光が壁に映って動くのが面白いみたいで、3才双子に懐中電灯を奪われる。

「まるいー!」
「しろいー!」
「おちゅきさまー!」

 こんな状況でもキャッキャキャッキャしているので、やれやれな感じだけど、まあ楽しそうで何より。

 なんとかiPhoneの光を頼りに電池を見つけて交換した。でも残念ながら光らない。1つは放置しすぎて電池の液漏れで故障。もう1つは安物で接触が悪くて着かない。懐中電灯は定期的に点検しないとダメ。

 妻がキッチンカウンターの上にいくつかのキャンドルを並べて火を点けてくれた。あたたかい灯りがリビングを照らす。そして庭に置いていたフュアーハンドランタンを持ってくる。去年の夏に入れたオイルが中にまだ残っていたので火が灯った。じゅうぶんに明るくなった。

 電気はすぐに復活した。その後も短い停電が何度か続いたけど、大事には至らなかった。

 でも、ゆらゆらと揺れる火って、なんだか原始的でいいですよね。僕は好きだ。基本的にはインドア派ですけど、キャンプ的な雰囲気がよい。マッチの匂いも、消した後に登る白い煙りも嫌いじゃない。懐中電灯も便利だけど、キャンドルとランタンのオイルも補充しておこう。暖かくなったら夜の庭に火を灯して、家族とゆっくり食事をしたい。虫は嫌いだけど。

2014-03-12 | Posted in 子育てComments Closed 

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