お寿司と罠


 僕はお寿司が好きだ。先週の土曜日は妻が外出していて、僕のお袋さんが鎌倉に来たので、双子と4人という珍しいメンバーでお昼の外食。魚屋路(ととやみち)鎌倉由比ガ浜店でお寿司を食べた。店内は広くてボックス席もあるので子連れでも入りやすい。まあ回転寿司ですけども、板前さんに頼めば握ってくれるし、ネタも新鮮で脂が乗ってるし、生ビールの泡もクリーミー。

 僕が小さい頃は渋谷の宮益坂から少し入ったところの連絡通路の角に「びっくり寿司」という回転寿司があって、よくお袋さんに連れていってもらった。その連絡通路の角は、僕が更にもっと小さい頃に、お袋さんと2人で夕方に仕事から帰ってくる親父さんをお迎えに行っていた場所でもあるので思い出深い。今はもうだいぶ景色が変わってしまったけど。

 若いお袋さんと小さな僕は、お腹をさすりながら満足顔でびっくり寿司を出る。

「今日お寿司を食べたのはパパには内緒よ」

 小さな僕はうなずいた。

 そして家に着くと、

「今日お寿司を食べたのはパパには内緒なんだよね」

 と、ヒソヒソ声だけども、目の前で言うから親父さんにバレた。

 この「ほのぼのエピソード」は、お袋さんから99回聞いた。先週の土曜日で100回目だ。

 鎌倉の魚屋路(ととやみち)は、大人はもちろん寿司とビールで満足できるし、子供たちは、鶏の唐揚げ、甘い卵焼き、ケチャップ付きのフライドポテトなんかもあるから全員満足できて本当に助かるのだけども、これだけは本気でやめて欲しいってことがあります。入り口のお土産コーナーというか、おもちゃ売り場。あれにうちの次男がまんまとやられる。入る時も出る時も。「しんかんせーーーん!」と叫び、泣きわめき、粘り強い次男はしばらくのあいだダダをこねるので大変なのだ。本当にタチが悪い。まあうちの次男のタチが悪いのであって、ととやみちは何も悪くないんだけども。

 自動ドアのすぐ横の低い位置に仕掛けられている厳選された餌で確実に獲物を捕らえるあの精密な罠。あれだけは本当にやめてもらいたいなあ。まあ僕が店長だったらやめないけどね。

2014-03-11 | Posted in 子育てComments Closed 

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