体を使う仕事


「MADE IN (外国)」のシールを「MADE IN JAPAN」に、ひたすら貼り替える。という仕事をしたことがあります。大田区かどこかの工場で、屋外だった。春先のポカポカ陽気だったから気持ちがよかったのだけど、仕事の内容的にどうなんだ。でも「間違えたから貼り直す」というようなテイだったと思う。本当かどうかはわからないけど、僕は信じます。

 学生時代は飲食店が多かったけど、大学を辞めた後は体を使うアルバイトをよくやった。お金がいいし、派遣会社に前日までに言えば、次の日に働けて当日に現金が貰える。だいたい引っ越し作業員の案件が多かった。クロネコ、ペリカン、ダック、クマ、アリ、パンダ。一通りやったけど、なんでぜんぶ動物なんですかね。ミカンとかバナナでもいいし(いいかな?)、迅速さがウリの「引越し忍者」とか、丁寧でダンディな「引越し紳士」みたいなキャラがあってもいいですよね。

 前日に「東京駅の○○出口に集合」とだけ聞いていて、当日行ってみたら20トントラックの荷物を入れるところに、10人くらいのおじさん達と一緒に乗せられた時はちょっとイヤだった。中はガランとしていて、おじさん達だけがあぐらをかいて点々と座る。窓はなくて側面に豆電球がいくつか点いているだけなので薄暗い。扉を閉められ(当然だけど)この状況で1時間くらい揺られて移動した。それぞれ複雑な事情を抱えていそうなおじさん達は終始無言で現場に到着。そこは何処かの山の中で、「高いところでの作業があるけど、いい?」みたいな書類にサインをさせられた。

 今は一日中座りっぱなしの仕事だけど、あの頃のことをたまにふと思い出して、平和な仕事に就けて良かったなあと思ったり、たまには体を使った仕事もいいんじゃないかなあと思ったりする。引越しの時は手伝います。当日に現金で。

2014-03-13 | Posted in 生き方Comments Closed 

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