『パパが一番好きな人』を、こどもに伝えた日。
ゴールデンウィークの10連休。
転職活動中、無職の時期から1年ぶりに、子供たちと密に過ごせた。
10日間、家族全員が気分よくすごせる育児のやり方を試行錯誤する中、
こどもたちに伝えることが、特に難しく感じたのは、
『モノを投げるな』ということ。
親は『愛情』を与えても、『考え』を与えてはならない。
『親業』という本から学んだ、『考え』ではなく、『親の気持ち』を伝えること。
今までは、『投げたら危ないよ!』とか『投げちゃダメ!』と言っていたけど、最近はやり方を変えた。
『これは、パパとママが、2人にプレゼントした大切な本なんだよ』
『だから、2人にはこの本を大事にして欲しいと思っているんだ。いいかな?』
『アイッチ』(2才双子の返事)
しっかりと親の気持ちを伝えることで、
しばらくは、モノを大事に扱ってくれる。
だけど、しばらく別のことで遊んだ後、
テンションも上がってくると、
神妙な表情で『アイッチ』と、返事をしたことを忘れてしまうのか、
やっぱり、つい、モノを投げてしまうようだ。
パパが一番好きな人
ゴールデンウィークも最終日。
モノを投げないことを教えるのは、まだ難しいのかなと、
少しだけ、あきらめかけたていたけど、
最終日の夕方、妻がお風呂に入っている間に、
ガーデンパーティの飾り付けに使ったしぼみかけの風船で遊ぶ子供たちの前に座って、
僕は、真剣に、伝えた。
『パパのお休みは今日までなんだ』
『1年ぶりに、大好きな2人と過ごせて、パパはとても嬉しかったよ』
僕がそう言うと、2人が同時に、抱っこをせがんできた。
2人同時の抱っこは、かなり腰にくるので、
僕は座ったまま、片腕に1人ずつ、ハグして、
また2人を離して、目を見ながら話を続けた。
『パパは、明日からまた仕事だから、会えるのは夜だけになる』
『明日からまた、ママと3人の生活がはじまるよ』
理解しているのか、わからないけど、
ふんふんと、相づちをうつ2人に向かって、更に続ける。
『パパは、ママのことが、世界で一番好きなんだ』
『だから、モノを投げたり、ママが困ることは、絶対にやらないで欲しい』
『ママが困っていたら、助けて欲しい。いいかな?』
『アイッチ』
2人は、いつもの神妙な顔で、返事をした。
しばらくして、お風呂から出てきた妻。
子供たちは、少しだけ、協力してくれているように見えた。
クレヨン、乗り物のおもちゃ、ごはんつぶ。
部屋が汚れたり、床に傷がついたり、ときどき危険なこともある。
なんとかモノを投げさせないようにしたい。
僕の想いが、どこまで伝わったかは、正直わからないけど、
子供たちを信じて、これからも気持ちを伝えていこうと思う。